12月

お休み

11月

★ワハハハハハハハハ……いきなりヤケ笑いしてしまいました。でました、久々の観
劇予定20本突破! 笑いの1つも出ようってもんです。あ、ところでオススメ原稿遅
くなってゴメンなさい。ここの掲示板にも書いてたけど、10月末までアイルランドに
行ってたから〜。その自慢話はプロフィールで続けるとして、実はこの文章書いてる
時点で頭の3本の公演がすでに始まっちゃってたりするのです。ホントにすまん……

★まずこれを書く前に私以外のオススメ人の方の文章を全て目を通したんだけど、結
構みんなバランスよくというか、ツボをハズしてないというか、まんべんなくススめ
ているもんですね。てなわけで全員のお薦めからは外れていたのって、熊哲と犯友と
ハクチョン劇場とじてキンとインディペンデントシアターのイベントぐらいしかない
のな。というわけでこの5本をざっとご紹介。
★と言っても日本一有名なバレエダンサー、熊川哲也はあんまり改めて紹介するほど
でもないのかも。まあ一応言っておくと、最近は高名な振付家ローラン・プティと組
んだ新作ダンスに取り組んでいた彼が、K-BALLET COMPANY名義では久々に古典バレエ
の名作に挑みます。彼の英国時代からの盟友、ヴィヴィアナ・デュランテとの絡みは
必見でしょう。
★すっかり西部講堂の野外公演が定着した犯罪友の会は、戦国時代の庶民に焦点を当
てた新作。小川トトさんら名物怪優が参加していないのが残念ですが、相変わらず掟
破りな芝居バカ(バカ芝居ではない!)ぶりを誇示してくれることでしょう。
★ハクチョン劇場は、ドイツのロック・ミュージカル『Linie 1』を韓国を舞台に翻
案し、かの国では1,000回のロングランを達成した人気作を持っての初来日公演。映
像ジャンルではかなり浸透しつつあるコリアン・パワーですが、演劇の方もこの機会
に体験しておきたいものです。
★自転車キンクリートSTOREは、数年前に上演して大評判を取った翻訳劇の再演。か
のビリー・ワイルダーも映画化した脱出劇コメディを、じてキンらしいウェルメイド
感覚で見事に見せ切った舞台……らしいです。というのも初演は見てないので。初演
と多少キャスティングが入れ替わってはいますが、安定感のある鈴木裕美演出なだけ
に、当時と引けを取らないクオリティのものを見せてくれると思います。
★『JUNGLE in→depentent theatre PRODUCE“INDEPENDENT”』は、劇場開設1周年記
念で、若手劇団の1人芝居ばかり10本をランダムに上演する企画。面子を見るとウイ
ングやプラネットレベルの作家や役者の名前がチラホラと…。新人チェックにはよろ
しいイベントではないでしょうか。詳細は公式HP(http://www.jungle-scs.co.jp/
theatre/produce.htm)まで。
★ああ、にしても今月全部見れたら奇跡だぜと、秋らしくアンニュイなため息をつく
今月のよっしーでした。アデュー。

10月

●「あれ、今月えらい少ないやん?」と思った方もいらっしゃるかもですね。なん
せ今月11公演しか挙げてませんし。というのも10月は24日から、維新派追っかけて
イタリアに行くことが決定しちゃったから! そのため10/24〜11/1の芝居は確実に
観られないので、最初から端折ったのです。『ニッキーズ・パビリオン』とか燐光
群とかカクスコ最終公演とか、オススメできる芝居は多いんですけどね。っていう
か、故林広志の久々の関西新作公演『ニッキー…』のために、イタリア行きやめよ
うかと一瞬考えたワタクシ。


●で、見に行く分のオススメ公演ですが、筆頭は言うまでもなく維新派と並ぶ私の
最大フェイバリット・少年王者舘です。今回は上演時間が約一時間半とコンパクト
で、その分比較的シンプル(あくまでもこの劇団にしちゃ、ですが)で分かりやす
いとの評判。毎回議論の的になる、脚本の遅さから来る完成度の問題も、名古屋・
東京公演を経ているから確実にオッケーなはず。一度だけ見て挫折した、なんて人
も再度チャレンジして損なし! ちなみに扇町ミュージアムスクエアのホームペー
ジでは、近々『少年王者舘解説集』を特別オープンすることになってますので、こ
れを読むと更に分かりよいかと思います。執筆者の1人は私。


●で、8月に続いてまたもや後藤大王と遊気舎の公演がガチンコ!…と思ったら、
微妙にズレてるのね、よかった。大王は新喜劇のうっちーと組んで、血液型をテー
マにしたショートオムニバスを。対する遊気舎は京都の劇団「ベトナムからの笑い
声」(この劇団もめっちゃ要チェック!)の『ドッグ・オア・ジャック−改訂版』
と、劇団員魔人ハンターミツルギのOMS戯曲賞大賞最終候補作『超A級迷子』をそれ
ぞれ上演。特に『超A級…』は初演を見て「役者が上手ければきっと面白いだろうに
…」と思った記憶があるので、遊気舎の達者な役者陣によってどのようなコメディ
に生まれ変わるのかが楽しみです。


●即興芝居の傑作『青木さん家の奥さん』が、大阪では7年振りに上演されるっての
にも注目。ほとんど素舞台の上で実力派役者たちがアドリブを炸裂させ、数々の伝
説的瞬間を作り上げた本作ですが、今月は転球劇場から福田転球&高木稟が登場!
@さらに11月は西田シャトナー&保村大和、12月は松本キック&大川豊と、次々と強
豪が待ち受けております。あ〜、全パターン見たい!


●さてダンスでは、ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)のイリ・キリアンの新
作公演がダンスファンならずとも必見でしょう。なんせ普通なら大劇場規模でしか
上演されないような巨匠キリアン作品を、キャパわずか200のAI・HALLで発表という
のだから。元NDTの日本人ダンサー、中村恩恵については全然知らない(←無知)の
ですが、キリアンが彼女のために本作を作ったというぐらいだから、きっと素晴ら
しいものを見せてくれるでしょう。


●てなわけで心はすでにイタリア〜なよっしーでした。チャオ。

9月

☆先月は大変でしたねー、いしだ壱成……というわけで劇団への励ましの意味を
込めて、文頭のマークを「劇団☆新感線」の☆にしてみました……励ましになるんか?

☆今月はコメディ系に注目公演が固まってますね。関西勢からいくと、私的に絶
対はずせないのはMONOと転球劇場とPipelineと『北大阪信用金庫』(略して『ほ
っきん』)。MONOは劇団を世に知らしめるきっかけとなった傑作のリメイクバー
ジョン、転球は久々のコントライブ、PipelineはPiperが間寛平を迎え撃つ番外
公演です。そのPiperの後藤ひろひとの名作を、同志山内圭哉演出&東映戦隊モ
ノ主演俳優たち出演で送る『ほっきん』ですが、上演はこれが4回目。実はワタ
クシ、本作の過去3バージョン公演を全て見ているという我ながらレアな人間な
ので、今回の再演も目撃して更に自慢の種を増やしておきたいところです。……
☆では目立たないことが今判明したので次から黒ベタにしよう。

★一方関東勢のお笑いはまずラーメンズが筆頭オススメ。過去ライブの傑作ネタ
をまとめたベスト版となる今回は、もちろん関西進出前のネタだってやってくれ
るはず。10月には伝説のコントグループ、ガバメント・オブ・ドッグスとのジョ
イントもあるのでその前哨戦としても見るべし、でしょう。でもって吹越満のソ
ロアクトもやはりベスト版。今だ噂でしか聞いたことのない「ロボコップ演芸」
をこの目で見られるとは……(感涙)。TVや映画でのフッキーしか知らない人も
、この機会にバカバカしいお笑いに満ちた吹越ワールドに驚き、そして魅了され
ちゃいましょう。やはり最近TVや映画で大活躍のジョビジョバですが、こちらは
新作。しかし先月の東京公演の評判は正直申し上げて芳しくはないようで……ま
、期待半分で行かせていただきます。あとHIGHLEG JESUSの河原雅彦が作・演出
を務める「月影十番勝負」ですが、河原さんの長編芝居は関西ではこれが初お披
露目。新感線の高田聖子さんのキュートでイキのいい熱演も楽しみですが、なん
といっても嬉しいのは新感線の竹田団吾が久々に役者に復帰する事だ!!……あ、
また感涙が。

★コメディ系以外に目を向けると、今月は何といっても深津篤史大活躍! につ
きますね。外部プロデュースに提供した恋愛モノ2作品同時再演も見逃せません
(深津演出では初めてとなる『百舌鳥…』は特にね)が、京都野外劇の雄・キタ
モトマサヤが演出をする野外劇は、関西演劇界久々の大ニュースってもんでしょ
う。昨年まで秋の風物詩だった維新派が今年はヨーロッパに行ってまうだけに、
これで野外ファンの欲求不満は解消されるってもんですね。よかったよかった。
★でもって10月にもまだまだ芝居は控えているぜと、芸術の秋に向けて時間の捻
出に余念のないよっしーでした。アスタ・ルエーゴ!

8月

●先月は一月で20本も芝居を見るという、よくやるねえと自分で呆れる強行観劇
スケジュールを達成した(それでも見たい芝居2本は見逃した)ワタクシですが
、今月はそれに比べればまだ落ち着いたスケジュールだ。しかもロングラン多い
から時間の調整がしやすいし、今月は久々に見たいの全部見られそうだ。
●今月注目なのは、元遊気舎メンバーと現役遊気舎メンバーの対決(?!)でしょ
う。元座長の後藤ひろひとが率いる「王立劇場」は、架空のTV番組用のライブ録
画の収録という設定で展開する悪のりコントライブ。このライブは後日実際にテ
レビで放映されるそうですが、大王なら一筋縄ではいかない見せ方をするはずな
ので生舞台も目撃すべし、でしょう。元役者のサカイヒロトによるWI'REはサイ
バーパンク系の音楽劇ですが、サカイ氏は昨年外部に書き下ろした『ホシノナイ
ソラノナイホシ』で文学的にも強いところを見せただけに、ストーリーのクオリ
ティにも期待できそう。そしてトリオ天満宮は、遊気舎の新たな作家に名乗りを
上げた現役劇団員・魔人ハンターミツルギの外部ユニット。体が発光するという
謎の病気に翻弄される人々を描くシュールなコメディとのことです。見比べてみ
るのも一興…というところですが、大王と天満宮ってむっちゃ日程かぶってる(
笑)。
●大きな所では、劇団☆新感線松竹座突撃第2弾となる『大江戸ロケット』と、
ミュージカル『エリザベート』が気になります。特に『エリザベート』、一部で
内野トートの歌が「まるでジャイアンのリサイタル」と笑いの的になっていたり
と、『北京原人』張りに間違った盛り上がりを見せているので冷静に見られるか
どうか。対する『大江戸』も、例の奥菜恵エロ写真騒動でこちらもまた間違った
盛り上がり方をしているようですが…これは私的にはどーでもいい話題なので冷
静に見させていただきます。
●対決と言えば、近鉄小劇場での西田&保村コンビの一人芝居とグローブ座カン
パニーという、シェイクスピア芝居の偶然連続上演こそ見物ですよね。前者は説
明不要なほどの超メジャー作ですが、後者はイギリスでも上演がほとんどないと
いう激レア作品(悪逆非道な王が活躍する『リチャード三世』とは違います)。
近鉄劇場の方では劇団四季の『ハムレット』もあるし、今月の近鉄は「シェイク
スピア月間」と化してます。ちなみにこの次の月には扉座の『ハムレット』まで
登場! ここまで偶然が重なるとちょっと怖い…。
●その他では、5月の公演は結局見逃したヨーロッパ企画を今度こそ拝見させて
いただきたい。なかなか大阪までは評判の届かない劇団だけに気にはなってます
。また演劇とは言えないかもしれないけれど、今月一番インパクト高そうなのが
、現代芸術家の浜崎健と鳥肌実のコラボレーション『浜崎健立現代美術鳥肌実験
室』。どちらも強烈なパフォーマーだけに、期待より怖いモン見たさっつー感じ
が強いですが…。
●んなわけで今年こそは空いた時間を利用して海に出掛けたいよっしーでした。
再見!

7月

●(苦笑)(怒)(号泣)(再笑)(爆笑)……この謎な書き出しは、観劇予定
の舞台をリストアップしてみたら、何が何でも見たいのだけに絞ったにも関わら
ず18本もあるという事実に直面したワタクシが、まずその多さに動揺してから改
めて自分の多忙さを恨み、その結果諦めと無我の境地に達した様を表してみたで
す。別にいらん話だが。


●てなわけで今月挙げた演目てのはホントどれもオススメってなものなんだけど
、んでも特筆しときたいのが私にとっては少年王者舘と並んで「親を殺してでも
見ておきたい劇団」(通称“親殺し劇団”)維新派です。大阪南港に別れを告げ
て次に探し当てた地は、海沿いの人工島と180度違う自然美あふれる山奥のグラ
ウンド。前作『流星』で美術的・ストーリー的にも具象から抽象への大胆な転換
を見せて大論争を巻き起こした彼らだけに、南港時代とはかなり印象の異なる世
界が見られそう…という意味では、わざわざ奈良県まで出向く価値は大ありって
なものでしょう。


●多数のゲスト招いた前回公演と打って変わり、3人切り(ただし日替わりゲス
トあり)の特別公演を行うのは転球劇場。ミニマムな舞台になるのかなーと思い
きや、AI・HALLの舞台に本物の水槽(しかも話によると結構デカいらしい)を設
置と、この劇団らしからぬ(?)派手な話題付きでございます。でもやってんの
は、きっといつものダラ〜ンと弛緩しきった会話劇なんだろうなあ。


●HEP HALLの「女性作家・演出家フェスティバル〜姫ごと」に参加する劇団アグ
リーダックリング、芝居屋坂道ストア、南船北馬一団。OMS戯曲賞受賞以来、演
出&演技面でも恐ろしいほどの急成長ぶりを見せるアグリー、初めて少年を主人
公にするという芝居屋坂道ストア、優等生的スタンスから一転ライトな少女芝居
に挑戦するという噂の南船と、女性だどうだというのを別にしても今の内に見て
おきたいラインアップがそろってます。


●そして改名問題まだ未決着のままらしい199Q太陽族の看板役者、工藤俊作がプ
ロデュースするプロジェクトKUTO-10も始動。毎回演劇ファンのツボと意表を巧
みに突く豪華な役者陣を招いてきますが、今回はMONOの水沼健&金替康博やジャ
ブジャブサーキットの一色忍など、劇団☆新感線や転球劇場からの客演が多かっ
たそれまでのKUTO-10と比べるとちょっと意外な面子ぞろい。演出はおなじみの
岩崎正裕で、作は'80年代に活躍した作家坂本チラノが担当。実はこの方の作品
は短編1本しか見たことないので何とも言えないのですが、'80年代演劇ノリの
話にはなるとは風のウワサに聞いております。


●松尾スズキが過去に発表した4人芝居の傑作2本を連続で再演するスズキビリ
ーバーズですが、間違いなく両方とも見逃せない逸品です。特に『マシーン日記
』は私の観劇人生のベスト5に確実に入るだろう、凄まじくも美しき舞台でござ
いますのでぜひ見てもらいたい。ただどう見てもイジメ役の方がはまってそうな
宝生舞に、あの初演の加藤直美(現ベターポーヅ)が存分に見せた「イジメられ
っ子の卑屈さ」を体現できるかどうかにかかってると思いますが…。


●……ああ、紹介したいものを全部紹介してたらキリないっす。皆さんのお時間
と電話代の事が心配ですので、無念ですがこの辺で。ここで紹介できなかった芝
居を、他のオススメ人さんがコメントしていることを願っております。←なんて無責任な

6月

●いきなり私事ですが、今年はダンス強化年間と題しまして積極的にダンス公演
を見るように心がけています。なもんで最近はダンスの「ダ」…濁点を付けるに
はまだ至ってないか…で「タ」ぐらいは語れるようになってはきました。てなわ
けで今月びわ湖ホールで行われる「ローザス」「勅使川原三郎+KARAS」「サー
カス・サークール」はこちら全部オススメでしょう。スティーヴ・ライヒの傑作
アルバム「ドラミング」の全曲を使用して音楽の構造をダンスによって視覚化す
る(って自分でも何言ってるやらよーわからん)ローザス、5年振りのカンパニ
ー新作で全盲のダンサーと異例の共演を果たす勅使川原、文字通りダンスという
よりはまるでサーカス的なパフォーマンスを見せる(昨年のP・ドゥクフレより
も更にサーカスっぽいそう)サーカス・サークール。いずれも駅からホールまで
の遠さ(せめて公演のある日だけでもJR大津駅から直行バスとか出してもらえま
いか? というのはきっと関西舞台芸術愛好家みんなの願い)、特にローザスは
平日1ステージという困った条件にもめげずにぜひ足を運んでおきたい。公演の
レア度だけも行く価値はあると思うよ。


●もいっちょパフォーマンス系…いやどちらかというとお笑いの範疇で語るべき
かもな(笑)上海太郎。'97年に発表した『ABSURD』の改訂版ですが、同作の短編
オムニバスの中でも象徴的な演目だった「BAD TRIP」連作がそのまま題名となっ
ています。あらぬ方向に想像力を働かせまくったあげく、観客を引かせまくり笑
わせまくったこの作品は初演も拝見してるのですが……見る、あの笑いをもう一
度体験できるのなら見るぞ!


●一方小劇場系。私にしては珍しく劇団八時半が入ってますが、今回は劇団の女
優で近年新鋭劇作家として注目され始めている山岡徳貴子が作・演出を担当する
そうなので。OMS戯曲賞に最も近いとも噂されるその作品世界は、ぜひ一度目に
しておきたいところです。彼らは長編よりもコントオムニバスの方が巧いのでは
と最近思い始めたスクエアですが、今回の長編はどうやら再演らしいので、いつ
も以上にじっくり作り込んだものができるのではと期待してまっせー! ちなみ
に小劇場系といえばOMSプロデュース『その鉄塔に男たちはいるという』も強烈
にオススメですが、5月から始まってる芝居なので先月の私オススメをご参照下
さい。お手数ですがね。


●お笑いの方に目を向けると、ラーメンズと鳥肌実という東京から全国区にライ
ブ活動をしている希有なアーティストが相次いで来阪と誠に喜ばしい状態。特に
ラーメンズは恥ずかしながらまだビデオでしか見てないので、後学のためにも見
ておかねばな。鳥肌は「小屋は小さいにこしたことはない」と言われがちなこの
世界の中で、巨大スペースで大げさに作り込んであるほどおかしみが増すという
珍しい存在なので、今回の大阪国際会議場は実に打ってつけでしょう。しかしま
さか、ここに「お笑いライブ」を見に足を運ぶ日が来ようとは…想像してません
でした。やっぱり世界はアタシが考えている以上に複雑なんですねという、無意
味に意味ありげな言葉で締めさせていただきます。アスタ・ラ・ヴィスタ!

5月

●5月というよりはむしろ6月公演にになるのではという日程ですが(ただし5/
25・26は栗東市で公演あり)、やはりオススメ筆頭はOMSプロデュースでしょう
。第6回OMS戯曲賞大賞を受賞したMONOの土田英生の本を、戯曲賞を主催する扇
町ミュージアムスクエアのプロデュースで再演するという名物企画。毎回初演と
違う演出家とオーディションで選んだキャストで上演するのが常でしたが、今年
は演出・キャストは初演のまま。ただし照明・音響etc.のスタッフは劇場が推薦
する人々をそろえ、劇中の音楽・振付もOMSと縁の深いプロのアーティストにお
願いするという、いわば「最高の上演環境を造る」というプロデュースとなって
ます。そういう意味ではMONOとはかなりテイストが違ってくるはずなので、初演
を見た方もオススメでしょう。個人的には、照明が少年王者舘のノスタルジック
な光を手がけている小木曽千倉さんってのに注目してます。公演の特別HPもあり
http://www.oms.gr.jp/tettoweb/index.html


●劇団の看板俳優・ジャージ公三の引退興行を打つのはランニングシアターダッ
シュ。小劇場の役者さんって「あの人いつの間にいなくなったの?」パターンが
多いので、こうやって華々しく引退を宣言するのはかなり珍しい。そして今回の
『夏の魔球』は劇団の代表作でもあるのですが、彼以外の主演は考えられないっ
てことでこの公演を最後に封印されてしまうとか。最近ご無沙汰な大庭さんや高
市さんも出演というから、ちょっとしたお祭りですわね。

●新人さんレベルでは、元維新派のメンバーたちが旗揚げしたロヲ=タァル=ヴ
ォガの第2回野外公演に注目。出演が草壁カゲロヲに加茂大輔…etc.って、ほと
んど『南風』の主演メンバー陣じゃないの。最近の維新派の作風の変化に対する
一つの返答が、彼らのパフォーマンスからは見えてくるのでは。またヨーロッパ
企画は私も未見なのですが、自分でも訳が分からないまま贔屓にしていることに
なっている(いや確かに好きだけど)「石原正一ショー」の石原さんが強力にオ
ススメしているのが気になるので見てきます。

4月

●さてさてメジャーマイナーまぜこぜって感じの今月観劇予定17本、実はどれも
これも外れなく平均的にオススメって感じですわね。ただそれって逆に言うと、
飛び抜けてこれっ! ていうのがないってことになってしまうのかもしれませんが…。

●その中で特筆が、今月京都のアトリエ劇研で上演される芝居4本。これらは「
笑い」をテーマに1ヶ月に渡って開催される「第2回アトリエ劇研演劇祭」参加
作品であります。シュール系の雄ベトナム、パロディの名手石原正一、技巧派コ
ントの星スクエアと関西お馴染みの3組に加え、恐らく関西で公演を打つ初の静
岡県劇団・超歌劇団が登場。力技的なヘナチョコ特撮風装置を駆使した熱血スト
ーリーを展開する劇団、だそうです。我ながら説明になってない…くやしいから見てやる。

●南河内万歳一座の荒谷清水や腹筋善之介などの曲者役者8名を招いた大人数芝
居に挑む転球劇場、過去にOMS戯曲賞を獲得しそうになった(注:実話です)魔
人ハンターミツルギの戯曲を初上演する遊気舎、関西では初めてライブハウス空
間を使用したパフォーマンスを行うHIGHLEG JESUSなど、今月のコメディは挑戦
系の作品が目立ちます。春だからかね。

●シリアス系では童話を自分たち風に調理するアグリーも、本拠地である岐阜県
の某僻地をモデルにした村(注:これは勝手な推測です)を舞台にしたジャブジ
ャブも良さげですが、ここでは単独では久々に関西登場の燐光群に注目。アメリ
カのララミーという町で実際に起こった同性愛者殺人事件を巡って、劇団員たち
が町の人々や関係者にその背景と本音を聞き回ってまとめ上げたというドキュメ
ンタリーチックな問題作を日本で初めて上演します。日本きっての社会派劇団だ
けに、本土のモノと拮抗するような世界を見せてくれるのでは。

3月


●先月に続いてあまり人が進めないような作品からいってみましょ。まず個人的に3
月最大の注目は、第3回大阪演劇祭の学生演劇コンクール『CAMPUS CUP2001』。この
中ではノミネート5作品中の3本、烏丸…とケッペキと水の会が観劇予定に入っていま
す。学生演劇からプロ劇団に移行するケースが多い現代日本演劇事情を考えると、先
物買い好きはできるだけチェックしときたい所。特に昨年の199Q太陽族最終公演に役
者・スタッフが大挙参加し、関西屈指の手練れぞろいの劇団陣とタイマン張るほどの
存在感を見せるという恐ろしいほどの快挙を成し遂げた「水の会」には要注意でしょ
う。
●いがらしだいすけ君を覚えてますでしょうか? 維新派ヂャンヂャン☆オペラの持
つ少年性を最も、体現していたと言っても過言ではない俳優です。維新派公演で裏方
のスタッフとして働いている姿を見るたびに、早く表舞台に立った姿を見たいなあと
熱望していた皆様、おまたせしました。ようやっと彼がlebel-blueで役者として復活
します。物語のために野外空間を作るのではなく、空間先にありきでその「場」に似
合う物語を紡ぎ出すという逆転の発想の野外劇になるそうです。日中は空間展示もあ
り。
●各界のエンターテインメント性の高い表現を一堂に集め、決してコラボレーション
せずただ並べてみせるという画期的なイベント「TIP COLLECTION」。最終回は全20組
のアーティストの中から特に評判の高かったベストセレクションになるということで
、今までずっと見逃してしまった方は必見でしょう。関西演劇界からは、スクエアが
目出度くノミネートされています。私のオススメは、現代アートから登場の“愛と真
実のダンサー”スメリーですわね。でも惜しくもノミネートされなかった電波系ギタ
リスト・チコピドが、個人的には一番見たかったんだけど…飛び入りしないかな〜。
●で、最後に超個人的なオススメは『駈込み訴え』。スペースゼロがプロデュースし
た太宰治原作の一人芝居なんですが、非常に激しく五感を揺さぶる隠れ名作なのでご
ざいます。実は私が演劇にはまる決定打となった作品でもある。人の(とゆーかワシ
の)人生を狂わせるほどの舞台がどのようなものか、ぜひ一度ご覧下さい。問い合わ
せは06・6341・2163【スペースゼロ】まで。

2月


●何というか、今月やたら前半に注目作が固まっている感じですね。で、17日を
過ぎるとご覧の通り、特に積極的に見たいと思うものがないという…。異様です
。妙に異様です。これは仕事の都合上、毎月前半が殺人的に忙しいという私めへ
の挑戦に違いありません。いや、挑戦される理由も覚えもとんとございませんが
、一応言ってみたです。
●ヒネクレ者の私としては、みんなが薦めそうな神戸アートビレッジセンター公
演4作品や南河内万歳一座、転球劇場(転球さん「咲くやこの花賞」受賞おめで
とう!)などは置いておいて、もしかしたら誰も知らないのではという公演ばか
りをピックアップ。まず先月突然決定したカラビンカの驚愕企画『松本雄吉×西
田シャトナー』。誰にも真似できないような確固たるスタイルを持つこの両演出
家が、それぞれ「即興劇」で対決! 前半では1日目に西田さんの、2日目には
松本さんの即興芝居を上演し、後半は芝居の感想を交えた2人の対談を行うとか
。「シャトナー研」の成果を余すところなくぶつけてくるはずの西田さんに対し
、ヂャンヂャン☆オペラと方向性が真逆なスタイルに挑む松本さんがどう出てく
るか楽しみなところです。
●「パパ、私はこの作品を6回見たけど、なぜこの人たちが傷つけあっているの
かまだわからないわ」…日本語に訳したらこんなになる、めっぽう長いタイトル
の作品を上演するのは南アフリカのダンスカンパニー、City Theater&Dance Gro
up。振付家のロビン・オーリンは、この作品でバニョレ国際振付賞を受賞してい
ます。まあそれを考慮しても、このチクリとした皮肉とユーモア効いたタイトル
のセンスを見ただけで、既にただもんじゃなさげですね。ポップアートを思わせ
るカラフルな色彩センス、台詞も大胆に用いるシアトリカルな演出が売りだそう
ですが、なにせ日本発上演。何が出るかは分かりません…。
●伝説の劇団・東京壱組の元座付作家…というより、作家・エッセイストと紹介
する方がずっと通りがいいはずの原田宗典。彼自身が舞台に立って芝居やトーク
を展開するという、ちょっと他にはないステージがいよいよ関西初上陸。壱組の
元看板役者で、現在何故か若い婦女子の間で(若いかどうかはともかくとして、
私もその1人だ)人気上昇中のおじ様俳優、大谷亮介の一人芝居もあります。原
田の新作戯曲上演は、関西では4年振りとなるそうで。壱組解散からもうそんな
になるのね…。ともかく、電車の中では絶対に読めない彼の爆笑エッセイと同じ
く、笑いと人間味に満ちた舞台となるには違いありません。
●ああ、まだ3つしか薦めてないのにまだまだこんなに未紹介作が残ってるわー
! せめて最後に、いっこく堂主演の『兵士の物語』だけは妙に気になる、とだ
け言い捨てておいて終わりにしたいと思います。ぢゃ。

1月


明けましておめでとうございます。あるいはうっかり年が変わる前にこれを見
てしまった方、よいお年を。さて新年早々の予定観劇本数は12本。まだいつもの
月に比べりゃ落ち着いてるほうだわな。
●最強オススメは少年王者舘+ジャブジャブ。「てめえのオススメは王者舘しか
ないんか!」とお怒りの人、これは宿命に近いので諦めるように。まあでも、こ
の作品は既に東京で初演を見て面白かったのは確かなので、自身満々のオススメ
ですわね。人情芝居からホラーまで実に多彩な作風を持つジャブジャブ・はせひ
ろいちの31の断章を、王者舘・天野天街の神業的コラージュセンス&演出力で1
本の芝居として構築するという実験的な作品。難解な事で知られる両劇団ですが
、今回はこういうお楽しみ企画的な物だからか、肩の力の抜けたいい雰囲気の舞
台となってました。内容もお互いの良い所取りしてるって感じだったし。どっち
かのファンと言うより、両方の劇団が好きという人が一番楽しめるのでは。
●次は三谷幸喜の新作という、初笑いにはこれ以上ないほどもってこいの演目を
持ってきたヴォードヴィルショー。元旦から関西で芝居なんて、役者たちの家族
は誰も文句言わなかったのでしょうか?(特に客演の平田満の家庭)思い切り人
ごととはいえ心配です。他にもヒッチコックのサスペンス映画をネタにとんでも
なく下らないパロディ芝居を繰り広げるサモ・アリナンズ、中島らも書き下ろし
ということで久々に期待高まるリリパ(こちらは能勢&貝塚でも公演あり)、パ
ンキッシュなブラックコメディで密かに注目を集める新人・デス電所…と、多種
多様な笑いが楽しめそうな今月です。
●笑い以外では、世界一ポピュラーなシェイクスピアのテキストを即興芝居と楽
器生演奏でどのように調理するかが楽しみなシャト研と、いつもの緻密な会話劇
とは違ってなんとものんべんだらりとした異色の作品を再演する青年団あたりが
必見でしょう。竹中直人の会は、先月の東京公演の評判がやたらと悪いのに却っ
てそそられたりなんかして…って、世紀が変わってもつくづくヒネクレ者なアタ
クシです。