otoの下半期ベストアクト

維新派『麦藁少年』

 熊野での公演。2日ともみたのですが、2日目の小雨の後の公演は素晴らしかった。

維新派の役者たちの持つ力はどんな場所にも負けず、歩み続ける足跡はどこまでも響き続けるのですな。

少年王者館 『くだんの件〜OSHIMAI』

 久しぶりにおそろしい芝居を見た気がします。全てが含まれてて、しかもなんにもない。これは、かなり素晴らしかった。

三人会/MUH・125『エーテルの3人姉妹』

 うーん、力のある役者さんに弱いのかなぁ。徒然草からはじまって、引用で繋げられる芝居。なのに言葉に込められる力。そして、そこで成立する物語。役者がおのれだけで魅せる芝居はやはり、なんか惹かれます。

劇団ジャブジャブサーキット『サワ師の仕業II』

 はせひろいちの最近多い非日常での脚本上で成立する前提条件とは違って、非常怪談等での観客と共有できる前提での脚本。はせ戯曲の醍醐味はここだと思うのですがね。まぁ、ちょっと完成されすぎ感は否めませんが、もうちょっとお遊びが欲しいかな。

桃園会『熱帯夜』

これも、深津脚本のもっとも生きる場所ですよね。誰もが通行できる場所での各個人のある種歪んだコミュニケーションの交わり。うちやまつりが好きなのですが投票は新作である前日箪に。 


役者部門

岡 知美(芝居屋坂道ストア『家出ショウ』)

 狭い小屋での今一つ個性のない公演でしたが、この人のがんばりは目立ちましたね。

一色忍(劇団ジャブジャブサーキットプロデュースVol. 1『七方美人』)

 なんだか、どんどん上手くなるなという気がします。1人芝居、名古屋→京都ですごくよくなっていたのですよ。うん。もっと自信をもって欲しいですね。 

亀岡寿行(WFプロデュース'99『自動小銃の銃口から覗いた風景』 )

 前から割と好きな役者さんではあるのですが、今回の1人芝居では素晴らしい演技でしたね。多分演出とかそういうものではない迫力がありました。

高木稟(転球劇場『ドラゴン』 )

 高木さんだけが、すばらしい。ちょっと私のブームは去りましたが。

土田英生(まれびとの会『蝶のやうな私の郷愁』

芝居的には、内田淳子さんの時の方が好きなのですが、この芝居での土田さんは素晴らしい。