SOMAの上半期ベストアクト



1位 パルコプロデュース「東京原子核クラブ」
突き抜けた印象はありませんでしたが、総合力の高さで1位とします。
一応、主人公は決まっているが、登場人物各々に対するエピソードが配置され
その描き方が細やかで○。そういう描き方をするとバラバラで纏まりのない、
掘り下げ方が浅くなっちゃうパターンに陥りがちですが、そういう事を感じさ
せないマキノさんの力量に感服。
脇にキムラ・三上・小市というM.O.P.陣を始めとした実力俳優を配したの
も奏効。

2位 ダムタイプ「OR」


衝撃度は1番。演劇のライブでしか感じられないものの存在を痛感しました。
パフォーマンス系はよくわからない点も多く、点が甘くなるところもあります
が、この作品は「観てよかった〜」とつくづく感じさせられました。

3位 スライムピープルプロデュース「恐怖!スライムピープル襲来」

売りの通りのおバカさ・ゴミさがGOOD。ネタの大元はサモアリナンズのも
のらしいけど、そんなの関係無しのお遊び満載・ストーリーなんかあったのか
しら?(笑)
おもろかったらそれでいいやんっていう開き直った潔さまで感じられました。

4位 メイシアタープロデュース「近松ゴシップ」


前宣伝とは全く違った本になってしまいました。が、やはり土田節は健在。
MONOの芝居となんら変わりないという印象もありますが、笑わせて最後に
ちょっとしんみりさせる大好きなパターン。またプロデュースならではの豪華
な役者をああいう風に使うって言うのも良かったです。

5位 三角フラスコ「マンボウ水族館」

 人間からマンボウへの変身という展開から、作り自体は安易な感じもしました
が、その場面変更によって伝えられる登場人物各々の関係性、及び各個人の描
き方が、さっぱり風味で実は鋭いってな感じが良いです。作・演の花田さんの
感性が私には合うようです。


役者部門

1位 楠見薫(遊気舎)「FOLKER」

ファンだも〜ん。(笑) でも贔屓目抜きで良かったです。
初の主役を持てる実力で演じきったという印象。あの冷酷な目線は凄かったです。が、それよりもミキ婆からダンスを教えられるシーンの泣き笑顔、素晴らしかったです。ただ、こういう役だと面白味がないのが難点。魅力が半減です。
幅の広さを見せ付けてくれるような本に出会う事を祈ります。

2位 岡本タダシ(衛星)「Candle」

あのセオドア役は卑怯。設定の妙もあるとは思うけど、舞台を1人でかっさらってしまったのは確か。初見なので今後の舞台も見てみないと判りませんけど、決して巧いとは言えません。が、あのインパクトは強烈でした。
3位 森本研典(199Q太陽族)「レ・ボリューション#99」

精神障害児というのは、演技という意味ではずるい役(格差が目立つという意味で)だと思いますが、そういうのを差し引いても巧いです。あれって笑って観ちゃったらいけないですよね。そういうような事を笑わせてしまうとか、、、それはあの「純さ」を見事に表現していた証明でしょう。