SOMAの上半期ベストアクト



1位 ナイロン100℃「ザ・ガンビーズショウ」
  あぁこんなの1位にしていいのかなぁ、「キタで芝居を見る」の権威を落とすなぁなんて思っちゃいますが、大好きなんです、このおバカさ。

 近来まれに見る出来でした。マチソワで観てお尻は痛かったけどずっと笑いっぱなしでした。観終わって「あぁ、面白かった」ってだけで後に何も残らないところがまたいい。

こんなにお洒落にバカできる劇団ってナイロンしかない!


2位 京の劇作家シリーズvol.4「家を出た」



なんだか、せつなくって。 書かれてることは、愛とか死とか、重いんですよ。でも観ている最中 は、そんなこと考えさせないテンポで、笑いも取り入れて進みます。

 で、京都からの帰りの電車で心に効きはじめて、自宅で戯曲を読み直してみたら、駄目でした。上のとは逆に色々考えさせられる芝居でし た。

3位 MONO「きゅうりの花」


  MONOは安定して面白いです。が、今回はいつものMONOとはち ょっとばかし変わってました。いつもは「設定の妙」という大きな武 器を持っているんですが、今回はそんなに妙じゃない。

 でも、そこで繰り広げられるのは、軽妙な会話と醸し出される様な笑いと心にしん みりのまさしくMONOワールドなんですよね。ただ、今作はしんみり度が高かったような気がするのは私がガンヂ山に捨てられる歳を過ぎているせい?
4位 GIRAFFE「安全遊戯場」



 大変よくできたシチュエーションコメディでした。

 嘘が突拍子だとか、 そんなことで騙せるか?とか、取って付けたように感じさせるシーンがあるとか、役者さんのレベルに差があるとか、不満も多々あるのですが、脚本と登場人物のキャラクターの描き方が巧くて、マイナス点を補って余りを出してます。

 三谷幸喜作品を思い出させる出来と言ったら大袈裟でしょうが。

5位 プロジェクト・ナビ「猟奇王」

 これもおバカ芝居。ナビ(北村想作品)って今までに1回しか観てないんですが、こんなのもやるんですね。それと、原作も知らなかったから、こんなのとは思いもつきませんでした。でも、単なるおバカでは終わっちゃいないんですよね、この芝居。

  おバカの皮を被ってるだけ。その裏側がなんとも心に響きました。


[その他一言]
「これだっ」という飛び抜けたのが無かったような感じです。だから次点として選びたい作品も多いっす。例えば、199Q太陽族「空の絵の具」、遊気舎「源八橋西詰」とかも大好きなんだけど、両作とも再演ということでちょっと遠慮してもらいました。
また、私の好みのおバカ路線で言うと、遊気舎+KAVC「エル・ニンジャ対サイボーグドラゴン」なんて確実にランクインするのだけど、これは芝居じゃなくってイベントだ、と考えたので敢えて外しました。そういう意味では「維新派+内橋和久オーケストラ」はライブとしました。