よっしーの05年上半期ベストアクト


作品部門

第1位  SHINKANSEN☆RH ROCK MUSICAL『SHIROH』
第2位  Kudan project『真夜中の弥次さん喜多さん』
第3位  ヨーロッパ企画『平凡なウェーイ』
第4位  婦人マガジン『夜叉ヶ池』
第5位  デス電所『散戒(さんかい)』

 

●SHINKANSEN☆RH ROCK
MUSICAL『SHIROH』
 いやこれはもう断トツ。私の天野天街愛(笑)を押しのけてしまうほどの断トツさ。楽曲や振付だけでなく、実は「島原の乱」の歴史的事実とフィクションを融合したストーリーも、「歴史で遊ぶならこうでなくっちゃ」というぐらいめちゃくちゃ良くできてる。あらゆる意味において完璧。間違いなく日本国産ミュージカルの金字塔ですよこれは。
●Kudan project『真夜中の弥次さん喜多さん』
 今回の初大阪公演が初見だったならきっとベスト1だったんだろうけど…すでに東京で1回見ちゃったから『SHIROH』に比べると衝撃度薄かったんで2位。んでもほぼ原作に忠実だった宮藤官九郎監督の同名映画に比べると、こっちは原作を「演劇」の枠に天野マジックで押し込めたという感じ。その無理矢理さ加減が痛快でした。これぞ天才技!
●ヨーロッパ企画『平凡なウェーイ』

 起承転結の「起承」までを延々映像で見せ、「転」の部分から突如生の舞台に切り替わるという、演劇としては反則技じゃないかと思える手段を堂々とやってしまった意欲と勇気をたたえての3位。やっぱり反則は悪役プロレスラーと同じで、正々堂々とやらなきゃ面白くないです。
●婦人マガジン『夜叉ヶ池』
 泉鏡花を少女漫画風にアレンジしたらこうなるのか、と思うほど女の子度数が高かった『夜叉ヶ池』。特にお百合さんと晃のバカップルギリギリのいちゃいちゃぶりは新鮮だったです。それゆえに村人に追われて死んでしまう2人の悲哀ぶりが、よりいっそう際立つのですな〜。芝居屋坂道ストアは残念ながら今年で解散してしまったけど、このプロデュースはいつか第2弾やってもらいたいなあ。
●デス電所『散戒』
 ダークなセンスが飛び抜けているのはハッキリとわかるのに、私的にはどうも物足りなさを感じていたデス電所でしたが、この作品でついに殻を一つ破ったという印象を受けました。多分今までは残酷な現実をただ見せるだけで終わっていたのが、今回はその現実に対してどう立ち向かえばいいのかという作者なりの答を提示できていたからじゃないかなと。役者さんたちのレベル向上も著しいし、次回以降が心底楽しみになってきましたです。

役者部門

第1位  江本純子(毛皮族『3.26毛皮族襲来!!』)
第2位  山浦徹(婦人マガジン『夜叉ヶ池』)
第3位  宮崎宏康(ベトナムからの笑い声『ニセキョセンブーム』

●江本純子
 以前東京で『DEEPキリスト狂』を見た時から惚れ込んだジュンリー姐さん(年下だけどあえて姐さんと呼ばせてもらう!)。大阪でもやっぱり麗しかったジュンリー姐さん。バッドマン型ニップレスのエロさにノックアウトされたジュンリー姐さん。もう彼女に理屈は不要。女の惚れる格好良さ! それだけで十分っす。

●山浦徹
 '04年下半期に続いてのランクイン。婦人マガジンでは、ごく普通の軽薄な兄ちゃんっぽい学円を好演してました。学円って戯曲を読んだ限りでは割と生真面目なキャラに思えたんだけど、こういうアプローチもありなんだなと驚き。山浦さん自身のキャラの魅力もあってこその、個性的な学円だったと思います。

●宮崎宏康
 『ニセキョセンブーム』に出てきた、無駄に操作が複雑な等身大のカラクリ人形込みでの3位。こういう理由のノミネートは前代未聞でしょうね〜。ベトナムでは毎回毎回、彼の作る大仕掛けな美術に本当にビビらされます。スタッフ賞があったら確実に1位は彼でしょう。



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