もみゃさんの03年上半期ベストアクト


2003年上半期の観劇本数は47本。
作品部門の選定は、正直、今までで一番悩みました。
作品部門の第3位より以下は、ほぼ横並びのが軽く10以上あり・・・結局、優劣はつけられず、どれだけコメントが書けるだろうか、をイメージしながらピックアップしました。
第15位ぐらいあったら、ここまでリストと睨めっこせずに済んだのに。
(あ、その分、もっと沢山書く事になるのか)

作品部門

第1位  おさかなビリー「おさかなビリー他vol.4」 @いろはいちば

雑貨屋さんのスペースをほぼそのまま使って行われている公演。
気にはなっていたものの、なかなか行けず・・・昨年の石原正一ショー・マンスリーイシハラとして行われたのをカウントしなければ、これが初のおさかなビリー。
雑貨に囲まれた、こじんまりとした空間で繰り広げられる、短編やパフォーマンスの盛り合わせ。
客も、出演者も、皆が雑貨になって一緒にディスプレイされているような感覚。
少し奇妙で、何となく心地よくて、観た後に「何か、良かった」と思える、ハッピーなひとときでした。

第2位  シアター@メンズワークス&飛田プロデュース公演「エール」 @一心寺シアター倶楽

過去に行われたものの再演。
「サイド:シアター@メンズワークス」(+客演1名)・「サイド:飛田プロデュース」(+劇団員1名)の、ダブルキャストで行われた公演。
脚本を盲目的に「こなす」事はせず、しかしその「根っこの部分」は理解し、各々の個性も生かす、見事なバランス感覚をみせた飛田プロデュース側。
飛田プロデュース側の影響を(恐らく)受けつつ、その真似ではない、自分達の「エール」を演りきったシアター@メンズワークス側。
どちらが良い悪いという事でなく、両方あっての「エール」だった・・・というのが、正直な評価です。

第3位  クロムモリブデン「直接KISS」 @よしもとrise-1

初の恋愛モノ・・・まともな恋愛か否かは別として、クロム的なカッコよさは健在。
人間の欲や本能やシュールな人間関係をごちゃ混ぜにして、最後には(ビジュアル的にも)キレイにまとめてしまう。
今年の本公演がこれだけというのが、残念。

第4位  スクエア「ラブコメ」 @よしもとrise-1

これまでのスクエアとは、ちょっと違う感じ。
劇中劇どころか、劇中公演といった内容。
出来上がらない台本、オーバーワークの裏方、揉める役者同士。
そして本番・・・。
それでも、ラストの「終演後」では、あーやっぱりスクエアだ、と少しほっとする、そんな印象でした。

第5位  デス電所「消えズ魔9」 @ウイングフィールド

個人的には「仔犬、大怪我」「WORLDS END SAYONARA」(共に2001年に上演)辺りの世界観のを演ってほしいと思っているデス電所。
今回のは残念ながら「業界」どまり。
とはいえ、デス電所っぷりは健在。
ちょっとだけ嘘つきな所も健在。
定番ネタもちゃんと盛り込み、使用されていた曲たちも最高。
因みに、終演後に舞台上で(!)行われた物販、CD購入者第一号です。

役者部門

第1位  木野花 SHINKANSEN GOES TO BROADWAY「花の紅天狗」

持病で倒れた際の手術で、カラータイマー的な機器を胸に付けられながら、とり憑かれているかのように伝説の舞台に執着する・・・。
これぞベテラン!といった、見事な役づくりに感心。
そして何より、伝説の舞台の準備が始まったという意味で「ひとまず幕を降ろしなさい」・・・で、一幕の終わりとして実際に幕を降ろす。
あのシーンのインパクトが、とにかく強烈でした。

第2位  宮川サキ(pinkish!) シアター@メンズワークス&飛田プロデュース公演「エール」

「使い」役の、余りのハマリっぷりに感心するというか驚く。
ラストシーン、ダブルキャストのもう一つのサイドでは長ゼリフだった所を、「がんばりやー」で済ませてしまって・・・。
少し考えて、「もう分かってるやろ、私からアンタらに言ってやる事はもう何も無いワ」という意図をもって、あえて極端にセリフを短くしたのか・・・と理解しました。
或いは、セリフが完全に飛んでしまったのを、豪快に誤魔化したか(笑)。
とにかく、個性的なキャストの中でも、際立ってました。

第3位  年清由香(世界一団) おさかなビリー「おさかなビリー他vol.4」他

ビリーが出てくる話では出演者の英語指導としてフォローに回り、ビリーが出てこない話では出演も。
おさかなビリーを観ている時のあの心地よさは、このひとが居るからこそ成り立つように思いました。
世界一団「トリックスター568」(=所属劇団の本公演)及び飛田プロデュース(前述)、それぞれの好演+精力的な活動も含めて評価。



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