ＯＭＳ閉館後も思ったほど観劇本数が減らないのはなぜ？　劇場が
なくなるなら自分たちで作っちゃえという大阪ならではの野外劇が
元気。でも、関係者の熱意に応えられずラフレシア円形劇場祭は、
結局３本しか観れませんでした、ごめんなさい。くじら企画はもっ
ともっと全国区で評価されていいはず。事件モノ演劇化の手腕を東
の坂手洋二と張り合う西の大竹野正典。夫に掛けた保険金を狙う看
護婦たちのファンタジーホラー殺害シーンに春の宵も凍りつく。

あとは好み、順不同許して。デス電、ヨ企画、売込隊、電遊の順位
はどこが入替わってもおかしくない。どこもノリにノッてる旬、て
ゆうか、もっと伸びて!!　期待してるから。みなアイディア豊富。
演劇のワクにとどまらずコントやオリジナル音楽(サントラＣＤが
公演によっては完売の人気)それに映像をコラボして物語収斂する
デス電。９面各室の同時刻を次々再生してドタバタ人間関係をシッ
トコム展開するヨ企画。これまた記憶の不確実をエンドレスに問い
続けるシチュエーションコメディの売込隊。レトロなストーリーと
圧倒するビジュアルで別世界へ引きずり込む電遊。

役者も完全にわがまま、で選ばせていただきました。作品も有名劇
団より若手伸び盛りにバイアスかけてるが、同様にベテランや看板
の役者さんにはご遠慮いただいてます、ご容赦。

あぐり、福井愛が役者から制作に回ったからでもないだろうが、な
んてひたむき、抱きしめたいほどいじらしい吉川貴子。恥ずかしな
がら「くちなしジョッキィ」おハナシよくわかりません、私には。
でも、いいっ。わけわからんけど、なんかいいっ。熱いっ。その熱
さの中心に吉川がいるのね。

あの山本操を差し置いてチラシにピンで写ってるンすよ、浅田百合
子が。これを事件といわずして何が演劇なもんすか(論旨めちゃく
ちゃですけど)。スタイルにめぐまれ、よく見りゃ美人なのに異常
なテンションで、すぐヘンな人になる浅田さあ〜ん。尊敬っ。

ハッキリいって初めての主役は重荷だったよね、梅崎尚子。でも緊
張感いっぱい、初々しさと清潔感にあふれた彼女は、戦い続けるこ
とに疑問を抱く真田幸村の息子にぴたり。ただもう、せつない。

miyabi.n