みのるの02年年間ベストアクト


2002年の観劇本数は27本(内1本は東京の観劇)で、自己ワースト記録を
更新中です。昨年に引きつづいて私自身が何気に忙しかったからというのも
ありますが、やっぱり関西の劇場閉館の話も関係しているように思います。
ま、ここらへんのことは自分のHPでも書いているのですが、
今年以降演劇はどんなふうになっていくのでしょうか。
東京との温度差が広がっていく中、そんなこんなも含めて関西の演劇を
見続けていかなきゃな、と思い始めている私です。

作品部門

第1位  弘前劇場「職員室5:15p.m.」

「教育」の取り上げ方が、よくありがちな理想とか観念的じゃなかった
ところに共感。人が人から逃げない、ってことは簡単に言えることですが、
それがどれだけ難しく怖ろしいことか、教えてくれたような気がします。
照明が素晴らしい。

第2位  MONO「橋を渡ったら泣け」

土田さんの世紀末観、終末観みたいなものが描かれていたのが、
非常に興味深かったです。「その鉄塔に男たちはいるという」から
一歩も二歩も進んだ、特殊状況下の集団論にはホントに参りました(^_^;)

第3位  王立劇場「荒波次郎」

大王こと後藤さんが描く人間の「毒」というか「悪意」を久々に堪能
しました。そして決してそっちだけに偏ることのないエンターテイナー
ぶりも◎。バランス感覚に長けた人ですね。

第4位  円こどもステージ「《不思議の国のアリス》の帽子屋さんのお茶の会」

関西初公演だとか(私は二度ばかり東京で見たことがありますが)。
別役さんの飄々とした作風と、新劇の役者さんたちの確かな演技がミックス
すると、それはそれはとても不思議で深みのある芝居になっているから
面白いです。舞台美術はお見事でした。

第5位  「ア・ラ・カルト〜音楽家のいるレストラン」

人間って自分では意識していなくても、周りも気付かなくても、
延々と同じシチュエーションを生きているようでも、やっぱり少しずつ
成長しているんだろうな、と舞台上のお馴染みキャラを見ながら思いました。
もう見られない芝居だと思っていたから、余計にそう思ったことなのかもしれません。

役者部門

第1位  島川直さん

二兎社「日暮町風土記」にて。ミカン農家を継いだ若者が「どうしようもできない
将来」という悲壮感をあえてコミカルに見せるところが身につまされました。
憂える深さがダイレクトに伝わりました。

第2位  竹内都さん

自転車キンクリートSTORE「OUT」にて。再演で、益々破滅感を持つ主婦の
イライラ度が増した感じで、個人的にこの役はみやちゃんに決定!と思うぐらい
好きな役です。

第3位  岩崎加根子さん

シアター21「グラディスおばあさんの画廊」にて。時には子供っぽく、時には
気むずかしいおばあちゃんは典型的なおばあちゃんだった…ではなく、颯爽と
活躍していた過去の一面も見せる。ここらへんの生活者としての匂いを放つ
あたりが実に巧くて、一目惚れしました。

第4位  中嶋しゅうさん

シアター21「言葉〜アイヒマンを捕らえた男」にて。安定感のある芝居と
落ち着いた声に何度も目が行った役者さんでした。

第5位  浅野和之さん

「おかしな二人 男編」にて。広い劇場で細かい演技を魅せる魅せる(^o^)
ツボにハマって、ずっと浅野さんに目が釘付けでした。


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