SOMAの下半期ベストアクト


すいません、下半期はあんまり観てません。
こんな状態でベストアクトを選ぶのは非常に心苦しいのですが、下記の通りと
いたします。
1位 三角フラスコ「ホテルニューカレドニア」
2位 199Q太陽族「街踏劇 ぼちぼちいこか」
3位 くじら企画「屋上のペーパームーン」

「ホテルニューカレドニア」
花田明子さんってやっぱり巧いホンを書きます。この作品での登場人物の全員
にドラマを持たせ、散漫にもならず、きちんと纏め上げる力は流石の一言です。
今後も絶対観たい作家さんの1人なのです。
役者さんも増えたにもかかわらず、上手・下手の差を感じることなく自然な演
技で、一層厚みを増した気がします。
あと、いかにもってな感じの美術など、総合的に見て1位とします。

「街踏劇 ぼちぼちいこか」
元々野外劇って大好きなので、この企画を聞いた時に大期待でした。
一場所でなく、天王寺公園〜生国魂神社〜元精華小学校といういかにも大阪と
いう場所を移動してのもの。その期待に違わぬ、天王寺公園での前は通天閣、
後は川底池の向う側という奥行きを使った演出・生国魂神社での自然の木立に
松明の灯り・廃校での哀感とラストの開放感、いずれもいい体験でした。
ただ、そのシチュエーションに比べて、ひとつの物語としての心に訴えるもの
がちょっと負けたかな?ってことで2位とします。

「屋上のペーパームーン」
これも野外劇です、すいません。(^^ゞ
こちらは通天閣を借景にする天王寺は茶臼山のビルの屋上。
「ニセ金庫事件」の犯人たちのお話なのですが、そのロケーションゆえ本当に
それを目撃したような錯覚を起こします。が、過去にくじら企画が公演を行な
っていたカラビンカでも十分だったような気もします。が、敢えて屋上にこだ
わって階段状の客席まで作ってしまった心意気を買いましょう。
肝心のお話の方、ピカレスクロマンの「ロマン」の方は十分感じたのですが、
「ピカレスク」ってとこがちょっと薄かったかなってことで。
あと、夏の暑い中だったのでカチワリ氷の配慮も嬉しかったな。


役者部門

1位 秋月雁(くじら企画「屋上のペーパームーン」)
2位 松尾スズキ(NODA MAP「農業少女」)
3位 上海太郎(上海太郎舞踏公司「マックスウェルの悪魔」)

女優好きなのに、おやじばっかりになってしまった。(^^;

秋月さん、正直言って演技の幅は狭いような気がします。
が、いつも「こんなおっさんおるやろなぁ」というか、役とか演技とかを越え
てる存在を感じます。ほんといい味のおやじ役者さんです。

松尾さん、持ち味なのでしょうが、あの「顔は笑ってるのに笑ってない目のい
やらしさ」、今回の役にはぴったしでした。

上海さん、出てくるだけで顔がにやけます。いつも期待以上の演技で物言わぬ
俳優のすごさを感じます。