だいちさんの上半期ベストアクト


結局上半期はジャスト30本。この中ではかなり少ないような気がしますが、これでもわたしには多いくらいです。なので、どうしても未見の劇団は話題になっていてもなかなか観に行けません。そして選ぶのはこういう芝居。全然参考になんてならなさそうだけど、わたしって、こういう奴です。

1位 劇団ジャブジャブサーキット「バクスター氏の実験」
わたしが芝居の価値を決めるとき、一番大きくとるのが「心が動いた」です。動きを感じられれば感じられるほど、わたしはその芝居をみてよかったと思います。

 この芝居は、AI・HALLの扉をくぐった瞬間に決まりました。その瞬間、わたしの心は奪われ、しばらく動けませんでした。あんなことははじめてです。角を曲がると、そこにあるはずのない景色が広がっていた・・・、あの感じは、ほんとに、森の中の秘密の研究所をみつけたかのようでした。

 ほんとに舞台装置や照明がすごくよくって、開演まですごく楽しく、楽しみに待っていたのですが、芝居もとてもすばらしかったです。ちょっと不思議な感じがすごく絶妙で、役者さんもすごくよくって、すごくよい感じでつくりあげられているのがほんとにすばらしかったです。

2位 深津篤史プロデュース「湾岸線浜浦駅高架下4:00AM(土日除ク)」


 わたし、深津さんの芝居はどうも好きになれなかったのですが、これはすごく好きになってしまった。くぅ〜、負けた。って感じです。

 今まで、細かい演出の部分があまり好きになれなかったのですが、この芝居は日にちが変わるのが毎朝始発前に通る電車のライトでわかるようになっていたり、土日がちゃんとやってこなかったりするのがすごくうまくて、しかもよくって、よかったです。
 話もだらだらした状態から、それぞれがなんとか抜けだそうとしているところがよかったです。しかし、深津さんにとっての人間関係は結局恋愛関係かそうでないかだけなのでは?と思ってしまいました。最後のキスシーンのやりとりはもう、ちょっとほんとにすばらしかったです。

3位 夏の砂の上プロジェクト「夏の砂の上」


なんか、昔の自分と今の自分をいっしょにみたかのようで、すごいいやな気分になってしまいました(^^;)。しかし、あの少女はリアルすぎる・・・。どうして、あんなのが書けるんだろう。わたしは彼女が直視できませんでした。一人でみてたら、怖くて泣いてたことでしょう。

 ・・・あの少女はいつか、自分が何もわかっていなかったことに気づくのでしょうか。ほんとに、ほんとに何もわかっていなかったことに。ほんとにわからないんです。その時は。そして、自分がどれだけ疲れてしまっているかということが、ふっとわかる日がくるのでしょうか。その後のことをみせて欲しいと思ってしまうのは、いまだにどうやって振り払えばいいのかわからないわたしの甘えた根性なんでしょうね。

4位 ダムタイプ・パフォーマンス「OR」

なんで今までみてなかったのでしょう。ダムタイプ。変だな〜。あんなにじゃむちで特集されてたのに。絶対好きだってわかっていたのに。う〜ん。なんでなんだろ。

 でも、「ああ、これはきっと好きだわ。」ってものには、どんなに時間がかかったとしても、いつかどこかで、きっと出会うことになってる。今回も、こうしてちゃんと出会うことができました。

 光と音とパフォーマーと。舞台上にある情報はとても少ないようにみえるのに、そこからはとてもいろいろなことを読みとることができて、感じることができて、とても楽しかったです。

5位 芝居屋坂道ストア「あくびと風の威力」

 人前ではめったに泣かないほう・・・だと思う。どれくらいが普通かなんてわかんないけど。・・・なのですが、久々に泣いてしまいました。去年は1回泣いたのですが、でも、こんなにだらだらと長時間泣き続けたのははじめてです。

 震災は、みている人。の体験しかしていなかったので、こんなになるとは思ってませんでした。たぶん、わたしが反応したのは失われた子供時代と、失われる前の子供時代。まったく同じではないけれど、どちらもすごく心あたりのあるもので、あまりにそうなので、びっくりしてしまいました。

 だらだらだらだら泣き続けて、ちょっと何か取り戻せたような気がしました。なんか、すごくありがたかったです。


役者部門

ん〜、わたしも「パス」じゃだめなのかな〜。あんまり、役者をみないもので、・・・ていうか、思い出せなくって。なので、ぱぱっと、今、思いついたのを書いてみます。ま、それが印象に残った・・・ということにもなるから、それでいいのかもしれないし。

1位 古田新太(劇団☆新感線)


出てくるだけで、舞台の空気が変わるのがすごくよくわかります。存在感がすばらしいです。かっこよくしてても、ふんどし姿でおなかがでてても(^^;)、チュチュを着てても(^^;)。存在感があるんですよね〜。いないと、もの足りないんです。

2位 中村栄美子(少年王者舘)※字が違いますが、お許しを。

「バクスター」の時の少年役にわたしは心を奪われました(^^;)。ん〜、こんないとことかいたら、さぞかし夏休みが楽しかったことだろーなー。・・・なんて、かなり少女漫画趣味がはいってますね(^^;)。

3位 野田秀樹


作品部門が6位までだったら、次は「半神」だなと思うのですが、それはやっぱりG列の上手でみれたからかも。舞台中央で起こってることはちょっと、そっちのけになってしまいました(^^;)。いや、ほんとにまったく、かなり幸せでした。