よっしーの01年下半期ベストアクト


作品部門

ベスト3(順不同)

維新派 『さかしま』
少年王者舘 『コンデンス』
ヨーロッパ企画 『12人の追い抜けないアキレス』

特別賞

内藤裕敬・永盛丸プロジェクト 『青木さん家の奥さん』全バージョン

よっしーの一言(作品編)


 ああ、また今年もベスト3内に維新派と少年王者舘を入れてしまった…。もっと別
の芝居はないかと1週間ぐらい考えてみたんだけど、結局私にとってこの2作を超え
る芝居は3本分もなかったということで、開き直ってランクインさせていただきまし
た。まあ山奥の広大な空間を生かして様々な「夏」の光景を奔放に展開した維新派に
せよ、人間の脳内に潜む膨大な幻想の数々を1時間30分の舞台の中に圧縮して見せた
王者舘にせよ、それぞれの劇団にとってもベスト級の作品だったと思います。なので
こうして推挙させていただいても、さほど文句は出ないんではないでしょうか。


 さていわゆる“エンタメ系”の若手劇団に対していまいち食指が動かない私が、
久々にイイ! と思ったのがヨーロッパ企画。特に戯曲の巧さに関しては、最近の若
手の中でもズバ抜けた存在でしょう。まだまだ20代前半という事で既成のコメディの
影響から脱し切れてない観がありますが、その分今後の成長への期待は大きいという
ことで、将来性も加味してベスト3圏内に入れさせていただきました。


 そして私の勝手な特別賞『青木さん家の奥さん』ですが、これは上演された3バー
ジョンどれかに絞るのが不可能という事で、こういう形で挙げさせてもらいました。
また東京発の作品は一応除外したのですが、あまりのツッコミ所の多さに「ミュージ
カル界のシベ超」と呼びたくなった『エリザベート』と、作家&役者としての長塚圭
史の力量に少なからず驚愕させられた阿佐ヶ谷スパイダース『日本の女』は、ベスト
3に入ってもおかしくない作品だったということを、特に記させていただきます。

役者部門(順不同)

保村大和

本多真理(芝居屋坂道ストア)

高木稟(転球劇場)
次点

三上市朗(劇団M.O.P.)

よっしーの一言(役者編)


 まあホントに2001年は、保村大和の役者としての並々ならぬ技量とオーラにクラク
ラさせられた年だったという気がします。特に一人芝居『マクベス』で見せたマクベ
ス婦人の妖艶な演技といったら、『ガラスの仮面』の北島マヤもかくやと思わせる程
の変身ぶりでした。


 その演技力で年間通じて楽しませてくれたと言えば、転球劇場お三方全員もランク
インさせてしまいたいのですが、今回は代表して高木稟を。あの『日本の文化』での
意味不明な呪いシーンは、私を拍手付きで爆笑させた数少ない名場面でした。
 一方芝居屋の本多真理は、その性別・年齢を特定し難い容姿と声質が非常に印象深
い、最近私が一番注目している若手女優さんです。特に『ジェット猿人』での、元気
ではち切れそうなのに何故か現実感を感じさせない、不思議な少年の演技には魅了さ
れましたです。


 でもって三上市朗に関しては、今更その実力とカッコ良さを評価するまでもない気
もしますが、久々に『北大阪信用金庫』の大村役を演じたのがあまりにも嬉しかった
ので、またもや勝手に特別賞。過去数人が同じ役を演じた所を見てきたけど、やはり
三上バージョンが私的にはダントツでNo.1でしたわね。


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